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 この度、第26回日本腹膜透析医学会学術集会・総会を2020年9月19〜20日に新宿京王プラザホテルにおいて開催することになりました。この大役を仰せつかりましたこと、誠に光栄に存じます。

 日本は超高齢社会を迎え、慢性腎臓病(CKD)患者の増加とその高齢化が指摘されています。そうした背景のもとに、CKDを取り巻く医療状況にも大きな変革が訪れています。それは、在宅医療の推進と腎代替療法選択の徹底です。これらは、明らかに今後の腹膜透析医療の重要性を際立たせ、腎代替療法における腹膜透析の意義と比重が増し、腹膜透析患者の増加が予想されます。このことは、在宅医療の場でも、Shared Decision Making(SDM)の実施や訪問診療の増加など、腎不全医療に関わる医療者に、腹膜透析の知識や実地の習得が求められてきます。

 このため、本大会は「Diversity & Inclusion PD」というテーマを掲げました。腹膜透析医療が、腎代替療法においてさまざまな多様性を持ち、さらにその中に多くの患者、医療者、診療システム、新しい技術革新が内包され、魅力的な医療となることを祈念したつもりでおります。実際に、今大会を契機に、日本腹膜透析医学会は、本年度9月より新たに認定医・連携認定医制度をスタートさせるつもりでおります。これは本会の会員のみならず、家庭医(かかりつけ医)の先生方にも腹膜透析医療を拡充するための制度です。さらに腹膜透析医療の充実に加えて、多職種が連携した日本腎代替療法医療専門職推進協会の設立が進められており、腎不全医療の大きな枠組みの構築が計画されています。

 こうした腹膜透析を取り巻く状況の変化に呼応すべく、大会実施を計画中でしたが、ご承知のように、2019 年 12 月以降に、新型コロナウイルス感染症 COVID-19 が発生、現在は世界中に広がっており、世界保健機関(WHO)はその発生状況がパンデミック(世界的な大流行)に該当すると発表しました。日本国内では、2020年1月15日に肺炎患者からCOVID-19が検出され、以降は徐々に関連肺炎患者が全国に蔓延する状態となりました。本症の対策に3密(密閉・密集・密接)が最も避けたい状態であることは、学術集会を挙行することをも困難にし、多くの学会が中止や延期となっております。緊急事態宣言が解除され、日常が戻りつつある現在でも、9月の本会が無事に開催に至る際には従来の形とは大きく異なるものとなることは必至です。

 COVID-19は今後蔓延・遷延化が指摘されており、ワクチン開発などがなければ、長い付き合いになるかもしれません。しかし、正しい知識と対処が感染の予防や重症化阻止につながることも分かってきています。これは在宅医療である腹膜透析が、このような状況の中で腎代替療法の新しい大きな可能性を秘めていることにもなるのではないでしょうか。

 是非、本会もこの困難な時代における新しい形として実現し、無事開催したいとスタッフ一同鋭意努力中です。どうか皆さまのご支援、ご協力をお願い申し上げます。

第26回日本腹膜透析医学会学術集会・総会 
大会長:土谷 健             
東京女子医科大学 血液浄化療法科